なぜ to の後ろは動詞の原形なのか?

なぜ to の後ろは動詞の原形なのか?

― 不定詞(名詞的用法)を整理する ―

不定詞には、

  • 名詞的用法
  • 形容詞的用法
  • 副詞的用法

があります。

この記事では、「~すること」と言い換えられる名詞的用法だけを扱います。

まずはここに集中します。

よくある疑問

英語をやり直していると、こう思ったことはありませんか。

なぜ to went じゃダメなの?
なぜ to plays じゃないの?

例を見てみます。

× I want to went.
× I want to plays.

I want to go.
(私は行きたい。)

I want to play.
(私は遊びたい。)

to の後ろは、必ず動詞の原形です。

ここを暗記で終わらせずに、理由を整理してみます。

名詞的用法とは?

I want to go.

この文を日本語にすると「私は行きたい。」です。

ここでの to go は、「行く」という動作そのものではなく、「行くこと」という意味で使われています。

つまり、

動詞を「~すること」として置いている

これが名詞的用法です。

なぜ原形になるのか?

ここが一番大事です。

英語には、ひとつ大事な性質があります。

1つの節の中で、時制(時間)を背負える動詞は1つだけ

という性質です。

時間の「責任」を取る動詞は1つでいい、という感覚です。

例を見てみます

I want to go.
(私は行きたい。)

I wanted to go.
(私は行きたかった。)

時間を決めているのは want / wanted です。

go は変わりません。

もし、

× I wanted to went.

と言ってしまうと、

「過去だ!」という情報が1つの文の中で2回出てしまいます。

英語ではそれは不自然です。

だから、時間のラベルは前の動詞が背負い、後ろの動詞は原形のままになるのです。

主語が変わっても同じ

もう一つ見てみます。

I want to go.
She wants to go.

go は変わりません。

変わっているのは want です。

三単現の s が付くのは前の動詞だけです。

つまり、

to 以下の動詞は、主語の影響を直接受けません。

これも同じ理由です。

人称の情報は、前の動詞が背負っています。


なぜ「不定詞」というのか?

ここで少しだけ言葉の意味に触れます。

なぜ「不定詞」というのでしょうか。

「不定」とは、定まらないという意味です。

主語が変わっても、時制が変わっても、to の後ろの動詞は変化しません。

形が「定まらない(=変化しない)」から、不定詞と呼ばれています。

だから、いつも原形なのです。

「不定詞は未来志向」と言われる理由

よく、「不定詞は未来を表す」と言われます。

たしかに、

I want to go.
(私は行きたい。)

I plan to travel.
(私は旅行する予定だ。)

のように、これからすることを表す文が多いです。

ここで少しイメージを使います。

to は、右向きの矢印(→)のように考えることができます。
I want(今思っている) → to go(これから行くことへ向かう)

視線が「今」から「これから」に向かうので、未来っぽく聞こえることが多いのです。

しかし、未来を作っているのは to そのものではありません。

例を見てみます。

I decided to leave.
(私は出発することを決めた。)

decided は過去形です。

leave は原形です。

この文は、「そのとき出発することを決めた」という意味です。

時間を決めているのは decided です。

不定詞は、その動詞のあとで「何をするのか」を示しているだけです。

だから未来のことを表すことが多いだけで、to 自体が未来を持っているわけではありません。

助動詞との共通点

ここで少しだけ思い出してください。

can go
must go

助動詞のあとも原形です。

なぜか。

助動詞がすでに「話し手の判断」という情報を背負っているからです。

時間や判断を前の語が背負う。

だから後ろは原形。

不定詞も、仕組みは同じです。

英語は、

前の語が情報を背負い、後ろは身軽になる

という動きをよくします。


今日のまとめ

整理すると、こうなります。

  • 名詞的用法は「~すること」として使う形
  • to の後ろは必ず動詞の原形
  • 1つの節で時制を背負う動詞は1つだけ
  • 時間や主語の情報を決めているのは前の動詞
  • だから後ろは原形になる

「とにかく原形」と覚えるより、

原形になる理由がある

と理解できると、助動詞や原形不定詞とも自然につながります。

私もまだ学習の途中です。

一緒に少しずつ整理していきましょう。

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